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超言理論

特に益もない日記である

新芽に気を取られて種を腐らせないように

地方の優秀な学生のための就職活動イベント、というものの説明会などに参加してきた。
(ケチをつけたり文句を言うつもりではないんだけど、見る人がみるとそう見えるようにも思えるので具体的な名前などはいわないでおく。内容としては、地方の学生が東京で就職するのをいろいろ支援します、っていう感じだった。)
「地方の就活における現状をなんとかしたい」とその人は言っていたけど、私はそれに違和感を感じた。そもそも、今の地方の就活は何か問題を抱えているのだろうか?もしそう思っているのなら、まるで地方が「中央へ行けなかった没落者の溜り場」みたいな認識をしているのだなと思った。
ここで、私が非常に優秀で「私は自身の優秀さを鑑みた上で、地方で生きていくことを選択したのだ」と言えればよいのだろうが、如何せん私にそんな優秀さが無いので、少し知り合いの話をしたい。
彼は非常に学業が優秀で、その優秀さは学校全体でも5本の指に入るほどだった。そんな彼は学校卒業後、地元の割とフツーな大学に入った。将来的には地元の適当な企業に入るか公務員になりたいと言っていたと思う、その理由は「安定しているから」だった。
安定志向、みたいなものはこの世界には確実にあって、安定を求めるにしては過分な能力を持った人が時折そういう方向へと進んでいく。(もちろんそうじゃ無い人、たとえばクビにならないから公務員になりたい、とか、そういう人も安定志向な場所を求めていくことだってある。)
逆に、挑戦や更なる発展、成長を求めて激戦の世界へ繰り出す人間だっている。そこで非凡な能力を発揮するかもしれないし、能力不相応の戦いに敗れて結局は諍いの無い流れの泊まった水の中に住み着くかもしれない。
地方には、そういう(地方に居たい|東京とかに行きたい)×(能力が高い|そうでもない)な人達がいて、そこへ「地方の就活における現状をなんとかしたい」というと言うことは、どういうことなのか、本当に「東京へ誘い出すことが"その人にとっての就活の現状をなんとかした"なのか」と思った。

ぶっちゃけた話、地方にいてもそんな支援なんてなしに行く人は東京まで就活へ行くのです。
さっきの4種の人々、(地方に居たい|東京とかに行きたい)×(能力が高い|そうでもない)人達の中で、こういう「地方から東京への就活者を増やすイベント」のターゲットは「地方にいようと思っている能力の高い人」(東京に行きたい人は勝手に行きますよね、じゃあ、東京にいこうと思っていない人の中で企業が求めるのは優秀な人?それとも?)なことは明らかで、ならそのために何をすれば良いのか、と言う話だと思います。
イベント中、そのイベントの担当者の人は「東京に行きたい!」とやる気満々な学生と楽しそうに談笑していました。やる気満々な学生は、きっとこのイベントを利用して東京に行くでしょう。でも、このイベントが無くても東京に行くでしょう。もっと気をかける相手がいるように思います。(あと、ついでに言うと少なくとも私ではないです。私はイベントで出てくる食事と酒を頂きにきただけです。)
つまるところ、「地方から東京への就活者を増やしたい」と思うのなら、挑戦的で東京へ行きたいと思っている学生ではなくて、むしろ「東京はちょっと...地元でひっそり生きていきたいです」と思いつつも勉学や技術修得に励む学生に、就活者の種に水をまいてやらなければならないのではないかと思います。そう、芽も出てないような小さな、自分からは何も言い出さないような静かな種に水をやらなければならないと思うのです。
東京での新興ベンチャーで一発っていうのは非常に華やかなイメージですが、その業界を支える技術者をもし集めたいのだという気持ちと「地方の就活における現状をなんとかしたい」というのを重ね合わせてみているのであれば、それは企業やベンチャー側の視点を一度捨てて、就職活動をしている学生のつもりになってみないと難しい。特に、企業の目線から、こいつは良さそうだと思うような新芽ばかり気にかけてしまうようでは、きっと大事な種が芽を出さないうちに腐らせてしまうかもしれない...


なんか書いてて思ったけど「俺別にそんながっついて東京こだわったりしないけど、優秀だからお前ら構えよ」みたいな感じになった...そんなこと無いです...最近たくさん構ってもらえてるんで良いです...


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